在宅介護や高齢者世帯、一人暮らしの高齢者にとって、食事というものは、健康を維持し、自立した生活を目指すために重要な要素です。高齢者は比較的、食事をしっかりととる傾向にあり、自炊率も高いが、住まう地域や環境によっては自炊が難しいことも多いのです。家族と同居しての在宅介護ならば、一人だけ異なる食事を作ることが手間となるほか、買い物できる店舗までのアクセスが悪く買い物難民となっている高齢者も多くいます。そのような場合、在宅介護・高齢者の人々は、外食をするか総菜に頼るかが多いのが現状です。これは栄養面での心配が大きく、健康維持のためには向いているとは言えません。
配食サービスは、これらの不安を解消するために非常に役立つツールとして、介護業界において急成長をしてきているサービスです。配食サービスの推進により、居住型の介護施設の利用から在宅介護への移行も進んでいくことが予想されています。伸び率が非常に大きく、今後も成長することが予想されていますが、そうはいってもいまだに浸透しきっているサービスであるとは言えないのが現状です。市場は伸びているが利用状況は低いのです。今後も、配食サービスの重要性は増して行くことが予想されるので、配食サービスを普及させるためにはその周知をよく行わなければなりません。
また、ただ普通の食事や治療食を作るのではなく、栄養面でも優れた食事を作ることが配食サービスには求められます。そのため、栄養士や管理栄養士の存在を確保することが必要になるほか、食事に利用者の要望をより取り入れることができるような仕組みも必要になっていくでしょう。